経理・承認

稟議書 テンプレート無料ダウンロードと書き方・例文

稟議書は、お金を使う前や新しい取り組みを始める前に「この内容で実施してよいか」を関係者と決裁者に回して承認を得る文書です。備品の購入、外注契約、採用、展示会出展など、会社の予算や対外的な約束が発生するものは、稟議を通してから実行するのが一般的です。

このページでは、すぐに使える稟議書のWordテンプレート、項目ごとの書き方、予算内訳を含む記入例、決裁が早く下りる書き方の手順、差し戻されやすいミスをまとめました。

稟議書とは?決裁・起案書との違い

稟議は、担当者が案を作り、関係部署と上位者に順番に回覧して承認を集め、最終的な決裁者が決定する日本企業特有の意思決定の仕組みです。稟議書には「何を・なぜ・いくらで・いつまでに」行うかを書き、承認ルート(担当→課長→部長→役員→社長など)を通って決裁されてから、発注や契約に進みます。

「決裁」は権限を持つ人が最終的に決めること自体を指し、稟議はその決裁を得るための手続きです。起案書は通知文や規程改定など社内文書全般の原案を回す広い概念で、稟議書はその中でも予算執行や重要な判断の事前承認に特化した文書と考えるとわかりやすいでしょう。支払い後の精算は経費精算書で行います。

稟議書はどんなときに書く?

  • 一定金額以上のPC・ソフトウェア・備品を購入する前
  • 業務委託、賃貸借、広告代理店などと契約を結ぶ前
  • 採用や契約社員の更新など人件費が増える判断をするとき
  • 展示会、研修、出張など予算が必要な予定を確定する前
  • 年間予算にない支出や予算超過が見込まれるとき

稟議書テンプレートの項目と書き方

ダウンロードファイルには次の項目がこの順で入っています。決裁者は件名・金額・結論だけを先に読むと考え、判断してほしい内容を上に置きましょう。

基本情報・承認ルート

項目書き方記入例
稟議番号・起案日社内の文書番号と作成日。営-2026-087/2026年11月2日
起案者・所属担当者の氏名と部署、連絡先。マーケティング部 高橋 美咲(内線 305)
承認ルート職務権限規程に沿って決裁者まで順に記載。課長 → 部長 → 担当役員 → 社長
合議部署事前確認が必要な部署(経理・法務・情報システム)。経理部(予算確認)

稟議の内容

項目書き方記入例
件名「何を+する件」が一行でわかるように。2026年春 業界展示会への出展の件
目的・背景なぜ今必要か、実施しない場合の影響を2〜3文で。新製品の認知拡大と見込み客200件の獲得
実施内容日程、規模、委託先などの計画。3月10日〜12日、1小間出展
比較検討見積もりや代替案との比較結果。装飾A社38万円/B社45万円 → A社
期待効果できるだけ数字で、確認する時期も。商談化30件、受注見込み1,500万円
添付資料見積書、比較表、契約書案など。見積書2通、出展要項

予算内訳

項目書き方記入例
品目支出する項目名。出展小間料
内容仕様や算定根拠を簡潔に。1小間(9㎡)
数量数字のみ。1
単価(円)税抜か税込かを表の下に明記。450,000
金額数量×単価。合計は件名欄の稟議金額と一致させる。450,000

稟議書の記入例:展示会出展

マーケティング部の担当者が業界展示会への出展を稟議した例です。決裁者が件名と金額、結論だけで判断できるように書いています。

件名2026年春 業界展示会への出展の件
起案者マーケティング部 高橋 美咲
承認ルートマーケティング課長 → 部長 → 担当役員 → 社長
稟議金額890,000円(税抜)/税込979,000円
決裁希望日2026年11月13日(金)— 出展申込締切のため

予算内訳

品目内容数量単価(円)金額
出展小間料1小間(9㎡)1450,000¥450,000
ブース装飾・施工A社見積、パネル・照明含む1380,000¥380,000
配布用ノベルティロゴ入りボールペン500120¥60,000
合計(税抜)¥890,000

金額は税抜です。消費税10%(89,000円)を含む支払予定額は979,000円で、2026年度マーケティング部の販促費から支出します。

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決裁が早く下りる稟議書の書き方手順

  1. 職務権限規程で決裁者を確認する 金額によって部長決裁か社長決裁かが変わります。ルートを間違えると最初から回し直しになります。
  2. 見積もりと根拠資料を先に集める 相見積もりを2〜3社取り、条件を比較表にまとめて添付します。
  3. 件名と稟議金額を確定する 件名は「何をする件」かがわかるように、金額は税抜・税込を明記して一つの数字で示します。
  4. 目的・背景と期待効果を短く書く 実施しない場合の損失と実施した場合の効果を数字で対比させると判断が早くなります。
  5. 予算内訳を埋めて合計を確認する 数量×単価=金額になっているか、合計が稟議金額と一致しているかを確かめます。
  6. 合議部署の確認を経て回付する 経理・法務・情報システムの意見を事前にもらっておくと、差し戻しが減ります。

日本の会社での注意点:取締役会決議と書類の保存

稟議書そのものに法定の様式はなく、社内統制のための文書です。誰がいくらまで決裁できるかは、各社の職務権限規程や決裁基準によります。ただし取締役会設置会社では、重要な財産の処分・譲受けや多額の借財など重要な業務執行の決定を取締役に委任できず、取締役会で決める必要があります(会社法第362条第4項)。稟議で社長決裁を得ても、これに当たる案件は取締役会の承認が必要です。

稟議後の取引で受け取る見積書・請求書・領収書などの書類は、法人税法上、原則として確定申告書の提出期限の翌日から7年間(欠損金が生じた事業年度は10年間)保存が必要です。電子メールやクラウドで受け取った請求書などの電子取引データは、電子帳簿保存法に従って電子のまま保存します。

稟議書、承認履歴、見積書、支払い証憑をひとまとめにしておくと、税務調査や監査で「誰が・いつ・なぜ承認したか」をすぐに示せます。電子稟議(ワークフロー)なら承認履歴が自動で残ります。

出典

本ページは一般的な情報であり、法律・税務上の助言ではありません。自社の職務権限規程や経理・法務担当者の案内を優先してください。

稟議書でよくあるミス

  • 先に発注・契約してから稟議を回す(事後稟議は内部統制上の問題になり得ます)
  • 税抜・税込を書かず、金額が合わなくなる
  • 見積もりが1社だけで、その会社を選んだ理由が説明できない
  • 背景説明が長く、決裁してほしい内容がいちばん下に埋もれている
  • 職務権限規程と違うルートで回して差し戻される
  • 予算内訳の合計と本文の稟議金額が一致しない

稟議書のよくある質問

稟議と決裁の違いは何ですか?

決裁は権限を持つ人が最終的に可否を決めることで、稟議はその決裁を得るために起案書を関係者に回して承認を集める手続きです。

稟議書と起案書は何が違いますか?

起案書は社内文書全般の原案を回すもので、稟議書はその中でも予算執行や重要な判断の事前承認を求める文書です。会社によっては同じ様式で運用しています。

稟議書に必ず書く項目は?

件名、目的・背景、実施内容、稟議金額と予算内訳、比較検討、期待効果、承認ルートと合議部署、決裁希望日、添付資料です。

電子稟議(ワークフロー)に切り替えても問題ありませんか?

はい。承認者と日時が自動で記録され、添付資料も一緒に保管できるため、紙の回覧より早く、監査対応もしやすくなります。

Googleドキュメントでも使えますか?

はい。Word(.docx)ファイルはGoogleドキュメントやPagesでも開いて編集できます。

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